臨床研究部
目的
国立病院機構(NHO)に所属する143病院のうち130病院で、臨床研究センターあるいは臨床研究部(院内標榜含む)が設置されており、当院も、2006年(平成18年)1月に臨床研究部(院内標榜)を新設し、5研究室と治験管理室を設置いたしました。
NHOに所属する全国の病院には、いわゆる総合病院、救急病院も含まれており、がん、脳卒中、心臓病、その他患者数の多い病気を主に診察している病院も少なくありません。一方で、神経難病、筋疾患、重症心身障害児(者)、小児精神疾患といった、決して患者数は多くないけれど、よい治療法が現時点で見つかっていない病気の方の医療にあたる病院もあり、当院はその中のひとつです。とかく患者数が少ない病気は、結果が集まりにくいため、研究が進みにくいのが現状ですが、NHOでは、全国的なネットワークを通して共同研究をおこないながら、よりよい医療の提供、そしって治療法へ発展させようと試みており、当院も積極的に共同研究に参加しています。
とはいっても、おひとりおひとりの患者さまと向き合いながら、訴えや症状を汲み取ってゆくことが、医療の質向上の原点です。これは医師だけに限らず、看護、リハビリテーション等、すべての医療職種にいえることです。当臨床研究部は、多数例での研究、少数例での症例検討に関わらず、得られた知見を患者さまにお返ししていくことを目標にしています。
組織図
治験管理室
治験に関しては以下をご覧ください。
>> 治験に関して
神経・筋病理研究室
神経や筋に異常を来す病気の方の診断に際し、実際に患者さまの神経や筋を採取し(生検)、顕微鏡で検査しています。また、不幸にしてお亡くなりになられた患者さまの最終診断や、お亡くなりになった直接的な原因等の検索を、病理解剖・顕微鏡による検査を通じておこなっています。
神経・筋治療研究室
筋委縮性側索硬化症、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、多発性硬化症をはじめとする神経難病、筋ジストロフィーをはじめとする筋疾患について、患者さまの症状、経過、治療薬・看護・リハビリテーションの効果など、日頃の診療に直結する内容中心に、研究をおこなっています。
呼吸器障害・感染症治療研究室
(呼吸器障害部門)
神経・筋難病患者や重症心身障害児/者の方々の呼吸器障害に対する呼吸ケア・リハビリテーション、人工呼吸療法は常に変化してきています。以前より活動しているチーム医療としての呼吸ケア・サポートチーム(RST)を中心として、院内の呼吸器障害治療の質の向上・均てん化に関しての研究を行っています。
(感染症部門)
神経・筋難病患者や重症心身障害児/者の方々は免疫力が低下し感染症を繰り返すことも多く耐性菌などが問題になっています。特に療養型病院の感染予防は急性期病院のものとは異なる部分も多いにも関わらずしっかりとしたエビデンスはほとんどありません。院内感染対策チームを中心として感染予防についての研究を行っています。
子どもの心身障害治療研究室
学校や社会になじめないお子さん、また生まれた時から障害をもっておられる重症心身障害児(者)の方など、小児科診療の中でもより特化した分野に対し、研究を継続しています。精神的問題については、「いしかわ子どもの心のケアネットワーク事業」の基幹病院としても位置づけられておりますし、重症心身障害児(者)の骨粗鬆症、嚥下、カルニチン欠乏に関する研究も行っています。
遺伝性疾患診断治療研究室
小児科・神経内科合同での遺伝カウンセリングチームを中心として、未確定遺伝性疾患の遺伝子検査を行っています。
現在、進行中の臨床研究
>> 倫理審査委員会議事録をご覧ください。